• 学習塾の開業に利用できる助成金・補助金がある!気をつけるポイントは?

  • 公開日:2023/08/15  最終更新日:2023/12/19


学習塾の開業には資金が必要ですが、その額は決して安くはありません。お金は充分蓄えてあるという人ばかりではないはずですから、資金を用意することが難しく、開業を断念せざるを得ないという可能性もあるでしょう。しかし、学習塾の開業に利用できる助成金や補助金もあるので、それがどのようなものなのか解説します。

まずは塾を開業する流れを確認

コンセプトを明確に定める

塾の開業には、個人で開業する方法とフランチャイズに加盟して開業する方法の2種類あります。それぞれメリットとデメリットがあるため、特徴を理解したうえで最適な方法を選択しましょう。

開業方法が決まったら、次にコンセプトを決めます。どのような生徒をターゲットとするか明確に定めることで、塾の方向性が決まります

また、塾を開業する地域についても入念に検討する必要があります。立地は集客に大きく影響するため、売り上げを左右する重大な要素です。市場調査を行い、慎重に決めましょう。

事業計画書を作成する

次に塾を開業する目的や資金計画についてまとめた事業計画書を作成します。どのように塾を経営していくか具体的にテキストにまとめます。

事業計画書を作成することで、塾を運営するうえで必要なものが可視化されます。なお、開業時に融資を受ける場合には、事業計画書を提出しなければなりません

第三者から見て納得できる内容になるように精査しましょう。

資金準備する

塾を開業するためにかかる費用をシミュレーションしてみましょう。自己資金だけでまかなえない場合には、助成金や補助金を活用するのも一つの手です。

塾の内装や備品を用意する

開業資金が用意できたら、塾の内装や備品を用意します。内装工事は専門業者に依頼することになるため、なるべく早めに選定作業を進めておきましょう。

内装工事にかかる費用は、工事の内容や規模によって大きく異なるため、複数の業者で相見積もりを取ることが大切です。塾に必要な備品としては、主に机やイス、黒板、パソコン、複合機などが挙げられます。

塾の指導方法も考慮したうえで、必要な備品を揃えていきましょう。

販売促進を実施する

塾の開業後、すぐに生徒が集まるとは限りません。チラシ広告やポスティングなどを活用して塾の開業を近隣住民に周知しましょう。

初期段階で集客が成功した場合、数か月から1年ほどの間は売上を確保できます。前もって集客したい生徒数を設定し、目標とする売り上げを達成できるように販促方法を考えましょう。

学習塾の開業に必要な費用

助成金や補助金を説明する前に、まず学習塾の開業に必要な費用を確認していきましょう。学習塾、それも個人が経営する塾なら、ほか業種で事業をスタートさせるよりも費用は比較的安いです。そうはいっても、必要な費用の目安は300~500万円と決して少ない金額ではありません。具体的にどのようなものに費用がかかるのか見ていきます。

塾の場所を確保する費用

自宅で開業するなら必ず必要になる費用ではありませんが、テナントなど賃貸で物件を借りる場合、保証金や仲介手数料などが必要になります。その金額の目安は、広さが20坪程度の物件で100万円前後です。

内装工事の費用

物件を借りたらそのまますぐ塾を開けるわけではなく、内装工事も必要になるでしょう。どのような形態で指導するかにもよりますが、たとえばパーティションで区切るなど、塾として使用できるように必要な工事を行うと、高ければ100万円程度必要になることもあります。

設備費用

設備にかかる費用がもっとも多くなる可能性があります。具体的には、机やイス、ホワイトボードや黒板、パソコンやタブレット端末も必要になるでしょう。目安としては200万円程度です。

そのほか

教材費が20万円~30万円程度、広告宣伝費用は50万円程度を用意しておくようにします。

学習塾の開業に使える助成金・補助金

少しでも負担が軽減されればうれしいものですが、助成金や補助金とはどのようなもので、金額はいくらくらいになるのか見てきましょう。

新事業融資制度(日本政策金融公庫)

政府が出資している金融機関である、日本政策金融公庫が実施している制度になります。政府の出資ということで、審査はかなり厳しいのですが担保や保証人が必要ないですし、利息も固定ですから長期返済の場合も安心です。融資限度額は3,000万円、新しく事業をスタートさせるために使用することが条件で融資してもらえます。

地域雇用開発助成金(厚生労働省)

地域雇用活性化をすすめるために、厚生労働省が提供している助成金が「地域雇用開発助成金」です。学習塾の開業も雇用を増やすことで地域活性化に結びつくとされ、この助成金が支給される可能性があります。

「可能性がある」ということは、学習塾を新しく開業する人すべてが対象になるわけではなく、支給するための要件を満たしていなければなりません。その要件とはつぎのようなものです。

▪計画日から最長で10か月以内に、事業所の整備を完了させること
▪雇用が不足している地域で、事業所の整備や地域の居住者の雇用に関する計画書を提出すること
▪ハローワークなどの紹介で求職者を雇用すること
▪計画日の前日より、労働者数が増加していること

これらの要件を満たすことで助成金が支給されますが、その額は事業所の設置・整備にかかった費用や、雇用する人数によって決まります。

学習塾を開業するときに気をつけたいポイント

開業は意気込みだけですすめると、授業を開始してから後悔することになる可能性があります。開業するときに気をつけたいポイントがあるので見ていきましょう。

立地が適切か検討する

学習塾は生徒がその場所まで通って授業を受けるもの、通いにくい場所にある塾は敬遠されることもあります。すでに実績があり信頼を得ている学習塾なら、少しくらい通いにくくても選ばれることがあるかもしれませんが、新しく開業する場合なら、より通いやすい場所を選んでください。具体的には学校や駅の近くであること、生徒が徒歩で通える場所がいいでしょう。また、競合する塾が近隣にあるかどうかもチェックしてください。

指導方法は慎重に選ぶ

学習塾の指導方法はひとつではなく複数ありますが、大きく分けて集団指導と個人指導があります。集団指導は講師ひとりに対し生徒は複数人なので、人件費を抑えられるというメリットがあるでしょう。ただ、集団で授業を行うならそれに見合った広いスペースが必要になり、その教室の賃貸料は高くなるというデメリットもあります。

個人指導は、講師ひとりがひとりの生徒を指導する方法で、それほど広いスペースは必要なく、自宅の一室で開業することもできるので賃貸料を抑えることができるでしょう。しかし、規模が小さく少人数しか受け入れられない教室の場合は、その分収入も少なくなります。効率的に収入を得たいなら、個人指導の場合はひとりあたりの単価を高くすることも考えるべきでしょう。

生徒だけでなく保護者への対応にも注意する

通うのは生徒ですがお金を出すのは保護者、保護者との信頼関係が築けなければ学習塾の経営もうまくいかない可能性があります。生徒受けがよい塾でも、保護者の機嫌を損ねたことで悪い口コミが広がり、塾をやめる生徒が増えて入塾希望者が減ってしまうかもしれません。生徒との関係を良好に保つだけではなく、その保護者への配慮も忘れてはいけないということです。

マーケティングの知識も必要

塾を開業したら、それだけで満足してはいけません。安定した経営を継続させることが重要で、そのためにはマーケティングの知識やスキルも必要になります。生徒の指導はできるけれどマーケティングまでは手が回らない、そういうのは苦手という人なら、フランチャイズに加盟して開業するのがおすすめです。フランチャイズなら、塾の経営に関してのノウハウを共有してくれるうえ、開業した後のサポートもしっかりしているので、安定した経営を継続させることが可能になります。

まとめ

個人で学習塾を開業するためにはさまざまな費用がかかりますが、条件を満たすことで助成金や補助金を活用することもできます。融資と助成金があり、融資なら返済する必要がありますが、塾の経営が軌道に乗るまでの間、頼れるのは心強いでしょう。開業して満足するのではなく、その後は安定した経営を継続させる必要があります。開業にあたり押さえておくべきポイントはしっかりと押さえ、経営に不安があるならフランチャイズへの加盟も検討してみてください。

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