• 自宅を活用して学習塾の開業は可能?必要なものやかかる資金とは

  • 公開日:2023/05/15 最終更新日:2024/07/23


最近、自宅の空き部屋や空きスペースを活用するビジネスが注目を集めています。間取りが多い一戸建てや子供が独立して部屋が空いてしまった家などで塾や習い事の教室を開きたいと考える人もいるでしょう。今回は自宅を活用した学習塾の開業方法や開業に必要なものや開業にかかる資金などについてまとめます。

自宅で学習塾の開業は可能

自宅の一部を使って学習塾を開くにはどのようにすればよいのでしょうか。開くために必要なことが2つあります。

1つ目は開業届の提出です。開業届とは、個人事業を開業したことを税務署に申告するための書類です。開業届を出すために必要なものは本人確認書類とマイナンバーがわかる書類、印鑑です。

2つ目は個人事業開始申告書の提出で、都道府県税事務所に提出します。塾を開く際に教員免許状は必要ありません。従って、開業届や個人事業開始申告書を提出すれば、誰でも自宅で塾を開けます。

塾開業に必要な学習スペース

塾を開くためにどの程度のスペースが必要なのでしょうか。必要スペースは開業する塾のスタイルによって大きく変わります。塾には集団指導と個別指導の2つのスタイルがあります。集団指導であれば、少人数指導であっても5〜10人が勉強できるだけの空間が必要です。個別指導であれば講師1人に対し1〜3人程度ですので、一般的な部屋で十分となります。

事業として成り立ちやすいのは集団指導です。その理由は、講師1人で教えられる生徒数が多いからです。個別指導はスペースが小さくて済む反面、時間当たりで教えられる生徒が多くても3人までですので、集団指導ほどコストパフォーマンスがよくありません。

どちらを選択するかは、学習塾として利用できるスペースの広さ次第となります。事業が軌道に乗るかどうかわからない段階で、集団指導を始めるのはリスクがあります。となれば、自宅で開く塾として適しているのは個別指導となるでしょう。個別指導であれば、一般住宅の書斎に机といすを設置するだけで十分ですので自宅の一室でも十分開業できるでしょう。

学習塾を自宅で開く際にかかる費用

自宅で塾を開くにはどの程度の費用を見込まなければならないのでしょうか。

開業費用は大きく分けて初期投資(イニシャルコスト)と運用経費(ランニングコスト)の2種類です。

初期投資として必要なものは、ホワイトボード、生徒が使用する机といす、下駄箱やスリッパなど来客用の玄関設備、新型コロナウイルス感染対策のパーテションなどです。新築の家であればこれだけで十分ですが、自宅が経年劣化し、壁が汚れている場合は壁紙の張替えなどのリフォームが必要となります。築年数が長い物件であれば床のリフォームが必要となるでしょう。

自宅改装の場合、ついつい、自分の感覚で「この程度なら問題ない」と思い最低限の回収で済ませてしまいがちですが、授業を受ける子供たちが快適に学習できる環境を整えるには相応の投資が必要です。いくら授業が良くても、「教室が汚い」となれば塾生として定着してくれません。その意味で、内装工事は重要な初期投資といえるでしょう。となると、合計で100万円程度は見込んでおいた方が無難です。

また、外看板などを設置する場合は追加の金額が必要となります。フェンスに取り付けるような看板であればデザイン込みで数万円ほどで設置可能です。電飾看板の場合は20〜30万円が相場ですので、これらを含めて考えると余裕をもって150万円〜200万円ほどの初期投資が必要となるでしょう。

次は運用経費についてみてみましょう。運用費の中で大きな割合を占めるのが家賃です。しかし、自宅で開業することで家賃を支払う必要がなくなります。これは、事業を継続するうえで大きなメリットです。次に必要なのが人件費。自分一人で教えるのであれば人件費は発生しません。3つ目に考えるべきは宣伝・広告費です。

広告は紙媒体とネットの2種類あります。紙媒体はチラシ・パンフレット、ネットは公式サイト・ブログ・SNSが中心となります。紙媒体の場合、デザイン等を自分で考えるか業者に発注するかによって価格が大きく変わります。ネットの場合、無料でできることも多いですが、サーバー代などが必要です。広告は単発ではほとんど意味がありませんので、継続して行わなければならず、数十万円は広告費として見込むべきでしょう。

まとめると、初期投資として200万円、運用経費として100万円、不意の出費や生徒募集がうまくいかなかったときのための予備費として200万円の合計500万円ほど用意する必要があります。

自宅で塾を開業するメリット・デメリット

塾は自宅でも開業できますが、メリットはあるのでしょうか。自宅で塾を開くことで、初期費用が抑えられたり、毎月の家賃が節約できたりします。自宅であれば通勤時間もかからないため、負担も少なく済むでしょう。

ここからは、自宅で塾を開業するメリット・デメリットを紹介します。これから自宅で塾を開業しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

自宅で塾を開業するメリット

まず、メリットは以下のとおりです。

■ 初期費用が抑えられる
自宅で塾を開業する1番のメリットは、初期費用が抑えられることです。塾を開業するためにテナントを借りると、敷金や礼金、内装費用などで300〜500万円ほどかかります。

しかし、自宅を使って開業すれば、新たに借りるわけではないので、初期費用が抑えられます。自宅で塾を開業する場合の資金は、敷金や礼金などが不要なので、内装費用のみです。

内装費用も工夫をすれば抑えられるでしょう。

■ 毎月の家賃が節約できる
自宅で塾を開業すれば、家賃などの固定費が節約できる点もメリットの1つです。塾を経営していると、収入は生徒からの受講料です。

しかし、生徒数は常に安定しているわけではなく、減る時もあります。テナントを借りて塾を開業した場合、生徒数に関係なく賃料が発生します。

しかし、自宅であれば追加で家賃が発生しないので、リスクが少ないです。家賃の支払いができないなどのプレッシャーがないのは、自宅で開業するメリットになるでしょう。

■ 副業でも始められる
テナントを借りずに、自宅で塾を開業すれば、副業から始められます。自宅であれば初期費用が抑えられるので、気軽に始めやすいです。

また、本業が終わってから塾業務をする際も、自宅なら移動時間もかかりません。開業費用も抑えられるので、副業で始めるなら自宅での開業がおすすめです。

■ 人脈を活かして始めやすい
自宅で塾を開業する場合、周辺地域の知り合いなど、人脈を活かして生徒を集められます。自宅であれば、近所の知り合いが子どもを通わせてくれる可能性があります。

テナントを借りて開く塾より、自宅の方が人脈を活かしやすいです。広告費用の削減にも繋がります。

また、口コミで広がれば、どんどん生徒が集まってくるでしょう。

自宅で塾を開業するデメリット

自宅で塾を開業するメリットを解説しましたが、もちろんデメリットもあります。自宅での塾開業は、デメリットを把握しておくことも大切です。

開業したあとに後悔しないよう、自宅で塾を開業するデメリットを確認しておきましょう。

■ 生徒数を増やすのが難しい
自宅で塾を開業した場合、生徒集めに苦労する可能性があります。近所での人脈があれば、生徒が集まることもあります。

自宅で塾を開業すると、片手間で経営しているというイメージを持たれやすいです。その場合、通わせても成績アップしないのではないかと疑問を持つ保護者も出てきます。

結果、近くの大手塾が選ばれてしまい、生徒の確保に苦労してしまいます。また、他人の家に入りづらいという印象を持っている保護者も多いです。

そのため、テナントを借りて開業するよりも、生徒数を増やすのが難しいです。

■ 受け入れ可能な生徒数が限られる
テナントに比べて、自宅は広さが決まっているので、受け入れられる生徒数に限りがあります。また、自宅で経営する塾は、部屋が狭く、アルバイトを雇えないことが多いです。

そのため、1人で教えられる人数にも限りがあります。受け入れられる生徒の数が限られると、収入の上限も決まってしまいます。

自宅での塾経営で、収入を上げようとすると、受講料を値上げするしかないでしょう。塾の経営でどんどん収入を増やしたい場合は、自宅での開業がおすすめできません。

■ ご近所トラブルにつながりやすい
自宅で塾を開業すると、ご近所トラブルが起きる可能性があります。子どもが塾終わりに自宅前で騒いでいたり、生徒の自転車が停められていて邪魔だと言われたりします。

その場合、今後暮らしていく上で気まずい思いをするかもしれません。ご近所トラブルを防ぐためには、生徒に指導をすることが大切です。

塾が終わったら帰るなど、事前に指導しておくことで、ご近所トラブルが防げます。さらに、プリントなどを配布し、保護者に共有するのも効果的です。

まとめ

今回は自宅を活用した学習塾の開業についてまとめました。塾は開業届などを提出するだけで誰でもスタートできます。自宅でスタートさせれば、家賃を抑えられるためランニングコストを低減させられます。しかし、内装工事や宣伝広告の一定の費用を見込まなければならず、生徒募集がうまくいかないときのことも考えると、500万円ほどの開業資金を用意するべきです。

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