塾の経営は儲からない？成功するポイントをご紹介

塾を開業したいと思っているものの、儲かるのかと不安に感じている方は少なくありません。教育業界は需要が安定している一方で、競争が激しく、なかには思うように利益を出せずに苦労している塾も存在します。安定した収益を確保するためには、経営のポイントを押さえて運営することが重要です。本記事では、塾経営が儲からないといわれる原因を整理し、成功するためのポイントを紹介します。

学習塾経営の現状
儲からない塾の特徴
塾経営で成功するためのポイント
まとめ

学習塾経営の現状

学習塾を開業するにあたっては、まず学習塾経営の現状を理解することが大切です。結論からいうと、教育業界では儲かる塾と儲からない塾が二極化しており、開業したからといって必ずしも儲かるわけではありません。

その理由のひとつとして少子化が挙げられます。厚生労働省が発表している人口動態統計によると、国内の出生数は第2次ベビーブーム後の1973年をピークに減少傾向が続いており、2024年には統計開始以来、初めて70万人を下回る数値となっています。政府の想定よりも早いペースで少子化が進んでおり、今後も少子化が加速すると予測されています。

しかしその一方で、経済産業省が公開している記事を見ると、子どもひとりあたりの教育費はアップしており、学習塾へのニーズは高まっています。さらに、コロナ禍以降はオンライン学習を導入する塾が増えたことから、遠方に住んでいる学生も気軽に塾を利用できるようになり、学習塾の売り上げは上昇傾向にあります。

つまり、子どもの学習塾への支出が増えているのは、保護者がより高品質な教育を求めている表れです。受験対策や学力向上など、それぞれの目的に合わせて、数多くの学習塾のなかから質のいい教室が選ばれています。

こうした現状から、学習塾開業を成功させるためは、指導やサービスの拡充が欠かせないことがわかります。

儲からない塾の特徴

国内には数多くの学習塾が存在しますが、なかには経営が安定していない塾も存在します。儲かっていない塾には、共通して以下のような特徴があります。

競合との差別化ができていない

学習塾が経営に苦戦する理由のひとつが競合との差別化ができていないことです。近年は大手フランチャイズ塾から地域密着型の個人塾まで数多くの教室が存在しており、生徒や保護者は幅広い選択肢のなかから選べます。

授業内容や料金体系がほかの塾と似通っていると、十分な集客が期待できません。差別化ができていないと、価格競争に巻き込まれやすく、利益率も下がりがちです。

塾の理念や教育方針、講師の質といった独自の強みを打ち出せない塾は、儲かりにくい傾向にあります。

立地条件が悪い

塾の経営において、立地は非常に重要な要素です。駅から遠かったり、通学路から外れていたりすると、夜間の安全に不安がある保護者から敬遠されがちです。

とくに、小・中学生は保護者が送迎することも多いため、駐車場の有無やアクセスのよさが重視されます。立地条件が悪いと、いくら質の高い授業を提供しても生徒数が伸びず、固定費をまかなえなくなるリスクが高まります。

固定費が高すぎる

学習塾の経営においては、賃料や人件費といった固定費の割合が大きな負担となります。とくに教室の広さに賃料が見合っていなかったり、多くの講師を抱えていたりすると、売上が伸びないとすぐに赤字に陥ります。

さらに、光熱費や広告費が加わると、思った以上に利益が残らないことも少なくありません。固定費が高すぎる塾は、少しでも生徒が減少すると、一気に経営が厳しくなります。

効果的な集客戦略がない

どれだけ授業の質がよくても、集客ができなければ塾経営は成り立ちません。ポスティングやチラシに頼るのもひとつの手ですが、インターネットで情報収集する現代の保護者には届きにくいでしょう。

公式サイトやSNSを活用した発信が不十分だと認知されにくく、新規生徒を獲得できません。効果的な戦略をもたない塾は、安定した経営は見込めないでしょう。

塾経営で成功するためのポイント

塾経営を成功させるためには、戦略的な工夫が欠かせません。ここでは、塾経営で押さえておくべき5つのポイントを紹介します。

コストを細かく管理する

利益を確保するためには、コストの管理が欠かせません。賃料や人件費といった固定費を無理なく支払える範囲に抑え、教材費や光熱費も定期的に見直すことが大切です。必要最低限の経費で運営することで、収入に対する出費を抑えられます。

また、コストの管理は、余計な出費を抑えるだけでなく、効率の良い経営にもつながります。たとえば、生徒数や受講科目ごとの収益性を把握することで、必要な箇所に重点的に投資することができます。コストを細かく管理できる塾は、少ない生徒数でも黒字を出しやすくなります。

塾講師の質を高める

保護者や生徒が塾を選ぶ決め手のひとつが、講師の質です。どんなに教材やカリキュラムが充実していても、講師の指導力が低ければ生徒の満足度は上がりません。

逆に、熱心で指導力の高い講師がいれば、生徒たちの進学率がアップし、優れた進学実績を築くことができます。これまでの進学実績を公式サイトや広告に掲載することで、集客につながります。

研修制度を整えて講師のスキルを高めたり、評価制度を設けてモチベーションを維持したりすることは、塾経営において極めて重要です。

集団指導をメインにする

集団指導は、ひとりの講師で複数の生徒を指導できるため、利益率を高めやすい仕組みです。もちろん個別指導にはきめ細かさという強みがありますが、コスト面では集団指導に軍配が上がります。効率的にカリキュラムを設計し、集団授業の質を高めることができれば、安定した収益につながります。

さらに、集団指導は、同じ目標を掲げる生徒同士が切磋琢磨することで学習意欲の向上に期待できます。集団指導をメインにすることで、効率よく多くの生徒に対応でき、進学実績を積み重ねることができます。

経営の規模を拡大する

学習塾は1教室あたりの収益に限界があります。そのため、経営を安定させるには、新しい教室を展開して収益源を増やすことが効果的です。

複数の教室をもつことでリスク分散にもなり、ブランド力を高めることもできます。規模を拡大することで、より強い経営基盤を築くことが可能になります。

Web集客を実践する

生徒を集める仕組みをつくるうえで、Web集客を学び実践することは欠かせません。チラシや看板といった従来の広告は近隣の生徒を集めるには有効ですが、どうしても一定のコストがかかります。

その点、公式サイトのSEO対策やSNSなど、インターネットを活用した集客は、一度公開すれば長期的に効果を発揮します。さらに、広告費を抑えながら継続的に生徒を集められるのが強みです。

また、Web集客の仕組みを構築できれば、常にインターネット上で生徒を募集できる体制を整えられます。これにより、オフライン集客だけに依存せず安定的な集客が可能となり、塾経営のリスク分散にもつながります。

コストパフォーマンスの高い集客を実現するために、Web集客を積極的に学び、実践していくことが重要です。

まとめ

塾経営は「儲からない」といわれることもありますが、必ずしもそうとは限りません。少子化にともない、子どもひとりあたりにかける教育費は年々増加しており、儲かる塾と儲からない塾は二極化傾向にあります。儲からない塾は、固定費の負担や集客不振などの課題を抱えていることがほとんどです。塾経営を成功させるには、ほかの塾との差別化を図り、指導やサービスの質を高めることが重要です。サポート体制を整えることで、保護者や生徒に安心感を与えることができ、安定した経営につながります。